映画 アルマジロ 追加情報

何という偶然か、前回のブログをタイマー設定した直後に、アップリンクさんからお問い合わせ頂き、映画「アルマジロ」の追加情報を頂きましたので、ご紹介いたします。

前回のエントリーはコンバットアームズの店長みったんのツイットをみて、あ、この映画面白いなぁ、なんて気軽にエントリーしたのですが、同時に連絡頂くなんてなにか運命めいたものを感じますね。

 

SYNOPSYS

2009 年、アフガニスタン南部ヘルマンド州 、前進作戦基地“アルマジロ” デンマークの若い兵士メス、ダニエル、ラスムス、キムは、10 日間の訓練期間を経て、初めてのアフガニスタンに向かう。

アフガニスタン駐留の国際治安支援部隊 (ISAF)支援国として、デンマークはイギリスとともに危険なエリアを担当。
さびれた農村をはさんだタリバンの拠点までわずか1キロ足ら ずというキャンプ・アルマジロでの、彼らの主な任務はパトロールだ。 しかし、初めての任務は彼らにとって肩すかしだった。

「つまんなかった。全然 普通。撃ち合いとかあれば違うのかな。はやくジェットコースタ ーに乗りてえ」

民間人との渉外も、うまくいかない。爆撃で家族、家畜を殺され、農地を荒らされた村人たちにとってはタリバンもISAFも、彼らの生活をおびやかすものでしかない。

「あんた方兵士やタリバンは撃つだけ。死ぬのはみんなワシらだ」

そんなある日決行されたタリバンとの交戦。デンマーク軍にも負傷者が出た。 アフガニスタンの人々を助けるために送り込まれたメスとダニエルやその仲間たちは大義名分を掲げ、理想を追い求めようとするが、戦闘がより血なまぐさくなり、恐怖や不安が蔓延し、兵士たちが興奮のあまり我を忘れていくにつれて彼らの判断力は鈍り、行動は変化していった。

彼らは“戦争の影”に怯えて敵を狩るようになり、自分が誰と戦っているのか、ろくに見ようともしなくなったのだ。“グリーンゾーン”ではタリバンも普通の農民 も同じような格好をしているので敵味方の区別がつきにくく、デンマーク兵たちは行き交 う地元民たち全てに疑心暗鬼の目を向けるようになっていく。

その後の交戦ではダニエルともう一人の兵士がタリバン数人を殺害し、喜びに沸くキャン プ。しかしこの行動が後に物議をかもすことになる。

「結局アフガンは荒んだ土地なんだ。この国マトモじゃないよ。戦争を理解し、俺たちが どんな気持ちで奮闘してるか分かる人もいる。部外者は俺たちのことをキチガイだの人殺しだの言うだろうけど、俺は正しいことをやった。俺たち みんなそうだ」

7 か月後、兵士たちは任期を終え、アフガンより帰還した。 その後、小隊長ラスムスとキムとダニエルは 2011 年にアフガニスタンへ戻った。
ラスムスは除隊し、現在技師をしている。メスはまた戻りたいと言っている。

DIREC TO R’ S  STATEMENT

私はこの作品『アルマジロ』で、戦争のミクロなレベルが――つまり現場のちょっとした 人間関係が――現代最大の戦争にどのような影響を与えているのか追いかけたかった。戦地での実戦は、政治とどのように関わっているのだろうか。

リサーチの早い段階で若い兵士たちと会った時、彼らが既に実戦を経ており、そのうえで戦地へ戻りたがっているのを知って驚いた。

兵士たちは、暴力的で血なまぐさい経験をしてきたはずなのに、戦闘の様子や、戦友との強い絆や一体感についてひどく生き生きとした様子で話すのである。緊迫した戦地を懐かしく思い、故郷での毎日に退屈さを募らせているように見えた。まるで中毒ではないか。

そうした状態を不思議に思い、私も兵士たちと同じ目線で映画を撮りたくなった。彼らはなぜ戦争に行きたがるのか? 世界を変えたいと思っているから? 単に血が騒ぐから? 個人的な野心から? それとも、何か別の理由から? そしてそうした動機は、彼らの人 間関係に対し、そして戦争全体に対してどのような影響を与えているのだろうか。

彼らの “中毒状態”がアフガニスタンの戦況に及ぼす影響は? 難しい局面における兵士の判断力への影響は? 外国人が国内にいるということは、アフガニスタンの人々にとってどん な意味があるのだろうか? “民主化への戦い”を指揮する国々の若者のほうが、逆に影響を受けることもあるのだろうか?こうした状況を見つめることで、現代の若者たちについて何が分かるのだろうか?

私はずっと、人生を変えるような経験をした人々についての映画を作りたいと思ってきた。 そうした経験はある意味で通過儀礼であり、当事者は自分自身や、自分の人間性と正面か ら向かい合う羽目になる。

いわば、普遍的で基本的な経験なのだ。戦争と、そこに駆り出 された若者たちという文脈で私が突き詰めたかったのは、男性的な感覚や、善と悪、文明 と野蛮さといった要素がいかに行動に反映されるか、いかに“次なる世代”の物語に適用 されるか、ということである。

 

2013年1月19日(土)渋谷アップリンク、新宿K’s cinema、銀座シネパトスほか、全国順次公開
http://www.uplink.co.jp/armadillo/

監督・脚本:ヤヌス・メッツ/撮影:ラース・スクリー/編集:ペア・キルケゴール/プロデューサー:ロニー・フリチョフ、サラ・ストックマン製作:フリチョフ・フィルム

(デンマーク/2010/デンマーク語、英語/カラー/HD/105分)